赤を追う。

赤い靴下と赤い悪魔を応援しています。 ボストン・レッドソックス/マンチェスター・ユナイテッド

3試合振り返り&決意表明 スールシャールとユナイテッドはこのままでいいの??

プレシーズンとチェルシー戦で大いに期待が高まったぶん、ここ数試合のダメダメっぷりを見てだいぶユナイテッドサポの方々の間でも色々な意見を見かけたので、少し自分の意見を。あとサボっていた第2節から4節の振り返りを簡単にやります。

 

第2節

ストライカーとしての資質を存分に発揮し出したマルシャルが一瞬の裏抜けから左足で先制点を奪います。GKの肩を射抜く見事なシュート。前半、ウルブズはウィングバックの攻撃参加が少なかったものの、相変わらずの連動性を見せるネベス、ジョタ、ヒメネスの動きから何度かチャンスを作ります。一方でユナイテッドはモリニューの空気に飲まれたジェームスを始め、鈍く迫力のない前線。リードしてる気がゼロのまま後半へ。ウルブズは切り札トラオレの投入でユナイテッドの左サイドを制圧します。守備力の低いショーでは対応しきれぬまま波状攻撃を許し、コーナーのセットプレーからネベスの超ゴラッソで同点。3バックにするなり、ボランチを絞らせるなり対応して欲しかったですね。痺れを切らしたポグバが自らボックスに侵入してPKを得るも失敗、このままドローで終了。


第3節

パレスの固いブロックを崩せず、どうしよう〜とやってる間にロングボールからあっさりとアイェウに先制点を許す展開。マタ不在が本当に痛かった。マルシャルがボールを収める役割をこなしていましたが、地蔵のラッシュフォード、裏抜けの動きが無いリンガード、右で使われるとカットインすらできずスペースを消されて空気になるジェームス。そりゃあ点は入らない。リードを得たパレスが完全な受け身モードになったこと、ワンビサカとショーが高い位置を保ったことで攻撃回数自体は多かったですけどね。なのでなんとかPKで追いつくチャンスも貰いました。同点ゴールのシーンはポグバのボール奪取からのショートカウンター、ジェームスの見事なシュート。なお今度はポグバのロストから史上初となるOTでのアディショナルタイム勝ち越し点を献上。歴史的な敗戦でした。


第4節

マルシャルの負傷欠場で、トップにラッシュフォード、左にジェームスでスタート。今季初先発となったマタが違いを作ります。縦に突破でき、カットインもできるジェームスとのコンビは特に良く、何度かサウサンプトンの右サイドを崩しました。マタが斜めに抜け出してDFを引きつける、ジェームスにスペースを与えるパターン。実際先制点もここから生まれました。ワンビサカともやってましたね。これはかなり効いていたので追加点が欲しかったところでしたが、案の定そんな決定力はなく後半、セットプレーからリンデロフを狙われて同点。相手が1人少なくなったことで勝利に全振りのユナイテッドはマティッチをアンカーで置き、2列目にリンガードとポグバ、右サイドにグリーンウッドを入れる攻撃的布陣で攻勢をかけるも勝ち越しはならずドローで終了。3試合勝ちなしとなりました。


さて、まあぶっちゃけ攻撃も守備も言いたいことばかりなのですが、今回は攻撃のほうにします。

第1節の浮かれ記事でも書きましたが、チェルシー戦は全てが上手くいきました。問題は全てが上手くいったこと。何かが上手くいかない場合はどうするのよというところがここ3試合でボロボロ出てます。ユナイテッドのストロングポイントは、「速さ」です。ボールを失った時のプレスの速さ、時間を掛けずに攻める速さ。つまり守備から攻撃への切り替えにおいて最も力を発揮するチームです。基本的にボールを持たされる時間が長くなれば苦しいのは当たり前。というかユナイテッドじゃなくても苦しいです。ブロックを崩すのではなくブロックを動かしてずらす、ギャップを作るということを目指すべきであって。そのために必要な2つのタスクが、ブロックをずらす動き出し、いわゆるダイアゴナルな動き、そしてブロックに穴を開ける個の力。そういう意味では、今日のマタ、ジェームスの出来はとてもポジティブでした。両方できる選手が前線に揃っているシティとか、スリートップのバランスが抜群のリヴァプールに比べたらまだまだですけど。

リヴァプールもクロップがきて、今のユナイテッドのように速さを武器にするチームだったはずが、気づけばカウンターが大して目立たないチームになりました。ファン・ダイクの加入とかファビーニョのフィットとか色々理由はありますが、なんといっても大きいのはフィルミーノです。圧倒的な個の力を持つマネとサラーを脇に抱えながら、裏や斜めと次々にスペースを見つけてブロックをかき乱す。クロップが目指したリヴァプールの「速さ」が意味するのは、守備から攻撃への切り替えではなく、攻撃が完結するスピードです。ユナイテッドに絶対的に足りないのはこれで、同時にスールシャールが目指しているスタイルもこれです。結果が出ていない以上、批判はされるべきですが、スールシャールがプレシーズンから通してやろうとしていること、マルシャルやジェームスといった選手がそれに応えはじめていること、スモーリングルカク、サンチェスと決別したこと。個人的には変革の始まりを感じずにはいられないです。やっと21への長い道のりを歩き出すことができています。もう少し信じてみましょう。