【補強考察】ユナイテッドがこの夏、獲得すべき5人の選手を挙げてみた
こんにちは。久々の更新です。
冬、新たにチームへと迎え入れたブルーノ・フェルナンデス、そしてオディオン・イガロの活躍もあり、再開後、ユナイテッドは来季チャンピオンズリーグ出場圏内であるTOP4に迫る追い上げを見せています。結果はもちろん、観ていて楽しい試合をしてくれているのはうれしい限りですね。
来季に向けたモチベーションもみなさん上がってきていると思います。そこで、今回は補強バナシです。すでに色々な噂含め移籍情報が出回っていますが、独断で今のユナイテッドに足りないものを考察しながらやっていこうと思います。
- 補強ポイントはどこ?
昨夏、長年の課題であったディフェンスラインの補強としてマグワイア、ワンビサカを獲得し、現時点でシティ、リバプールに次ぐ失点の少なさを記録するなど一定の成果が出ています。ジェームスもイキのいいプレーを見せてくれており、スールシャールになってからの補強策は上手くいっているのではないでしょうか。
しかし、来季こそプレミアのタイトルチャレンジが期待されるなかで、課題もまだまだ多くあるのが現状。ここでは補強ポイントとして5つ挙げます。ストライカー、右ウイング、センターバック、そしてブルーノとマティッチの負担を軽減できる二列目とアンカーです。優先順位を設定するならば、センターバック>右ウイング>二列目>ストライカー>アンカー、ですかね。
ポジションごとに、本命、対抗、大穴という項目にそれぞれ選手の名前を挙げていきます。ちなみに、あくまでも全体の補強策として考えているので、コスト面も考慮して選んでます。なのでこの選手のがよくない?みたいなところはあると思いますが、ご了承ください。では早速いきましょう。
≪本命≫イブラヒマ・コナテ(ライプツィヒ)
センターバックの補強というところは、あまり具体的な名前が出てこなかったので心配してましたが、最近になってようやくスールシャールの口から話が出てきて安心しました。左利きでボールを動かせる選手を探してるとかなんとか。アケを直接口説いた疑惑とかもありましたね。
センターバックは結構大きな補強ポイントだと思ってます。今季はディフェンスラインの改善が結果として出てますが、スモーリング大統領、ジョーンズ、マルコス・ロホが放出されれば頭数が足りません。そして何より、レギュラーでリンデロフを使うのは頼りない。良い選手だし安定感もありますが、スピードやフィジカルでちぎられるシーンもよく見ますよね。ポジション争いで負けることも多い。マグワイアをカバーできる身体能力の高い人材が欲しい。そうなると、結構絞られてきます。
推したいのはライプツィヒの21歳、イブラヒマ・コナテ。CLで躍進を続けるライプツィヒをウパメカノと共に支える選手です。サイドバックは英国系の選手を獲っとけば間違いないように、最近の優秀なセンターバックはアフリカ系のフランス人選手と相場が決まってます。身体能力をフルに生かしたディフェンス、スピード、空中戦。そしてなによりライプツィヒで培われた足下の技術。マグワイアが左のセンターバックを問題なくこなせるので、右利きでも良しかと。
対抗に挙げたユムティティは、ケガでバルサでの定位置を失い、今では完全にラングレの後塵を拝すかたち。終わった感が強いですが、もともとはワールドカップ優勝メンバーです。センターバックとして総合力が高く、何よりボールを動かす能力の高さは折り紙つき。まだ26歳で、市場価格は3200万ポンド(約40億円)まで落ちました。安い買い物になる可能性は高いです。
大穴はモナコの大器ベディアシレ。身体能力高い選手が欲しいとか言ったわりに、正直ユムティティとアケはどちらも技術を使う選手たちです。左利きで身体能力お化けってあんまいない。その点ベディアシレはもってこいです。弱冠17歳にしてモナコで主力を務める彼ですが、身長があり、スピードとフィジカル、そして足元も兼ね備えています。そのポテンシャルは底知れません。若手の登用を恐れないスールシャールなので案外可能性あるかも?
≪対抗≫サムエル・ユムティティ(バルセロナ)
≪大穴≫ベノワ・ベディアシレ(モナコ)
- 右ウイング
≪本命≫ ジェイドン・サンチョ(ドルトムント)
グリーンウッドの台頭もあり、これまでに比べて必要性が薄れた感もありますが、彼もまだ19歳。いよいよ本格ブレイクが見えてきたマルシャル、ラッシュフォードにフィットするサイドアタッカーは必要でしょう。ジェームスの成長を待ってる余裕もそこまでないので。
また、グリーンウッドは中央にポジションを取ることが多くなるので、コンビを組むサイドバックの攻撃性能はとても大事になってきます。まだまだ攻撃面では物足りないワンビサカと組ませることを考えると、縦にも仕掛けることのできるサンチョは理想的です。ユース時代からイングランドの世代別でプレーしているので、ラッシュフォードと良好な関係性があるのも大きい。
ドリブラーですが球離れが悪いタイプではなく、前線3人の連携面でも期待できる、流動的でポジションチェンジも多いユナイテッドの前線ですが、2列目のどこでもプレー可能なサンチョには無問題。サンチョ本人にもユナイテッドでプレーする野心があり、スター性もある、まさに7番の呪いを払拭するのに理想の選手ですね。
夢の補強を妨げる障害としては、その高すぎる移籍金。ドルトムントは1億ポンド(約135億円)とも言われる価格を下げる気はない様子。契約も2年残っており、レヴァンドフスキをフリーで放出したことからも、安売りはしてくれないでしょう。
前述したとおり、グリーンウッドがリーグでも数字を残し始めていることから、サンチョから撤退する可能性もなくはないか。対抗、大穴としてはキエーザ、ウスマン・デンべレを挙げました。ジェームスがいるのでこのタイミングで成長枠に行くことは考えにくく、サンチョが無理ならこのあたりの選手に狙いを変えるかもしれません。
≪対抗≫フェデリコ・キエーザ
≪大穴≫ウスマン・デンべレ
- 二列目
≪本命≫ドニー・ファン・デ・ベーク(アヤックス)
ブルーノの到着によって活性化したユナイテッドは、ブルーノの疲弊によって落ち着いてしまいました。もちろんブルーノの影響だけではないですけど。決勝の舞台でバルサに連敗し、変革を求めたファギーが香川を連れてきてから、マタ、リンガード、ペレイラ、、。ユナイテッドの2列目中央はタフな役目だったでしょう。
しかしながら、ブルーノというマジモノがきて、流れは変わりました。みなさんは、ブルーノがきて何が一番変わったと思いますかね??ゲームメイク、セットプレーの精度、PKの安心感、ポグバ、、などなど。全部当てはまると思います。私的には、チームに対して与えた影響という意味で質の高いフリーランだと思います。ブルーノは常に中盤、ファイナルサードで動き回ってますが、これはボールを貰いにくるだけでなく、相手ディフェンスを釣りながら味方のスペースを作る動きも含まれます。
一番わかりやすいのはフリースローですかね。フリースローのやり方を見れば、そのチームの動き方ルールみたいなのがわかったりするんですが、ユナイテッドってフリースローひどかったですよね。誰も動かないし、やっと動いたと思ったら直線的に貰いにくるだけみたいな。それで寄せられて戻すパスをミスして相手ボールとかザラでした。ブルーノはそのあたりの動き方の指示含めてやってくれるので、全体的に動き方の質が上がってますよね。
ショー、ラッシュフォードあたりは特に見違えてます。ラッシュフォードとショーのフリーランでスペースを空けて、左に流れたマルシャルが仕掛けるみたいなシーンがめちゃくちゃ増えた。ボーンマス戦のゴラッソとか、パレス戦の2点目はブルーノも絡んで完全に崩してました。1人いるだけでこんなに変わるのかって感じですけど。このままいくとブルーノでポジるだけで終わりそうなので話を戻すと、ブルーノ1人いるだけでここまで良くなる、つまりはブルーノ1人いないだけで一気に悪くなるということです。この過密日程でブルーノを休ませず使い続けているのは、賛同はできないけどまあ気持ちはわかります。それでもまあやりすぎですけどね。FA杯のフル出場は完全にやりすぎ。あのカウンターサッカーなら別にリンガードかペレイラでも良かった。
なので、質の高いブルーノのバックアップが必要です。本命は話がちらほら出ているファンデベーク。グリーリッシュはどうでしょうね。。。左に流れてプレーを始める選手なのでどうしてもラッシュフォード、マルシャルとプレーエリアが被りそう。お値段も安くなさそうだし。大穴はハメスです。ネタじゃないです。試す価値はあると思いますね。ファギーが獲得を望んだくらいですし。2列目どこでもできるし大バーゲンになる可能性も。
≪対抗≫ジャック・グリーリッシュ(アストン・ヴィラ)
- ストライカー
≪本命≫ラウル・ヒメネス(ウォルバーハンプトン・ワンダラーズ)
フェルナンデスがやってきて、ポグバが戻ってきて、マティッチが復活して、前線の攻撃力も急激に上昇しました。なかでも9番の位置に座るマルシャルは、これまでも大きなストロングポイントだったドリブル、狭いスペースを打開する細かいタッチのワンツーに加えて、ポストプレー、ポジショニング、決定力。ストライカーとしての総合力は成長著しいです。ワンタッチでのゴールがキャリア最多を記録しているのが証拠。
オプションとしては十分なイガロの存在も大きく、優先順位は比較的低いのではないかと。ただ1月にはそのイガロのレンタルが終わるので、代役を確保できるならしてほしいという感じですね。フィジカルが強く、ボールを収めてキープできる、起点となれる人材が欲しい。
こういうタイプは、市場に多いは多いと思いますが、舞台がプレミアなのでお目当ての選手を探すのは結構難しいと思います。というのもプレミアはデュエルが強く、展開が早いのでどっちかに振れてないとフィットするのが難しい。それなりにフィジカル強くてスピードもまあまあありますみたいな選手はレベルが高くてもわりと普通にダメだったりします。他リーグいけば活躍できるのにプレミアはてんでダメみたいなタイプはこれが原因です。モラタとかね。逆にいえばスピードとフィジカルのどちらかでもプレミアの基準に達していれば案外しっかり働いたりする。ジョレンテとかジルーとかがこんなに輝くリーグはないですよ。
名前が出てるところで言うとリヨンのムサ・デンべレあたりはちょっと怪しい。ヴェルナーは活躍すると思います。ヒメネスは29歳と若くはないですが、プレミアでその高い能力を実証済み。抜け出しが上手でポジショニング良し、空中戦も強い、身体を張れてポストも上手い。スピードがあるわけではないけど、メキシコのストライカーらしく抜け出しのタイミングが絶妙ですよね。ただ、これだけ褒めてるようにサブの選手ではないです。2トップにすることはあまりないと思うので、サブの選手にこれだけの移籍金を果たして出せるのかがネックですね。
≪大穴≫ジョシュ・キング(ボーンマス)
- アンカー
≪本命≫カルビン・フィリップス(リーズ)
シーズンが中断し、体力満タンで戻ってきたマティッチ先生の活躍は凄まじいものがあります。だからこそ、マティッチを毎試合使うようなことになると、来季も後半は厳しい。疲労がプレーの質に関わりやすいタイプの選手ですしね。やる気が戻り、守備もするようになったポグバですが、アテにするのは怖い。ブルーノは運動量もあるし守備もしますが、守備の負担を課すこと自体がナンセンスな気もするので、やはりプレーエリアが広い人材がほしいですね。
プレーエリアが広い選手といっても2種類あって、一つはリーチが長い選手。もう一つは運動量、走力のある選手です。マクトミネイとフレッジがおるやん、と言われそうですが、マクトミネイはともかくフレッジはパスのレンジが絶望的に狭い。最近はマティッチをセンターバックの間に下ろしてビルドアップさせてますけど、それは長いパスも出せるし、ディフェンスに寄せられながらパスの受け手を探すことのできるマティッチだからできる選択です。アンカーはセンターバックからボールを引き出さないといけませんが、奪われたら即失点につながるポジションでもあるので、自分に自信がないときつい。フレッジはあくまで中盤の選手ですね。
一方でマクトミネイは可能性あります。最近は長いパスも意識的に出してる気がするし、キープ力もあるので。ただ繋ぎという意味では、ビシバシ縦パス通すマティッチとはまだ差が大きい。マクトミネイでここを埋めれると大分違いますね。
リーズに所属するカルビン・フィリップスは、豊富な運動量、ディフェンス、また長短織り交ぜたパスの使い手でもあります。プレーのアグレッシブさとかもユナイテッド感が強い。リーズがプレミアに昇格したので価格は上がっているかもですが、即戦力ですし、エンディディやリールのズマレとかを狙うよりもずっと安価に済む。エンディディ獲れるならもちろんそれに越したことはないですが。
リサンドロ・マルティネスは私のイチオシです。堅実なディフェンス力とパスレンジを持つアヤックス所属、アルゼンチン出身の21歳。彼の良いところはセンターバックとサイドバックもプレー可能なポリバレントさ。頭数が足りないセンターバックを厚くできるし、ショーの負担も軽くなりそう。アンカーとか関係なく欲しいくらいですね。
≪対抗≫ウィルフレッド・エンディディ(レスター)
≪大穴≫リサンドロ・マルティネス(アヤックス)
- 総括
今季の移籍市場は、特殊な環境になってきます。来季の見通しも立たないので、選手とそれに見合ったコストの見極めは重要です。サンチョ資金を考えると使うことのできる資金も多くはないと思うので、上手に選手を確保してほしい。レギュラー陣が万全にそろえば質の高いサッカーができることは最近のプレーぶりを見てもわかりました。勝つことのできるチームから勝ち続けることのできるチームへと姿を変えるのが今であってほしいですね。それでは!
最大のライバルの連勝街道をストップ… 勝てなかったが負けなかった試合。チームに漂うのは期待感か、それとも失望感か
[EPL] 第9節 United 1-1 Liverpool
ー「失望している」
「不十分だった」
「もっとできた」
1-1のドローで終えた試合後、ユナイテッドの選手たち、そして陣営から出てくる言葉はネガティブなものが多かったように思います。皆さんはどのように感じたでしょうか?相手は、昨季チーム史上最多となる5もの勝ち点を獲得し、プレミアリーグでは目下17連勝中、そして何より、18シーズンでは欧州のチームにおいて最も長くピッチに立っていた選手たちを有するチームです。それを相手にドロー。悪くない結果、そして現実的な結果です。にもかかわらずなぜでしょう。なぜこんなにもモヤモヤした空気感が漂っているのか。答えは簡単で、相手がリヴァプール、そして舞台がオールド・トラフォードだから。宿敵をホームに迎え、最も勝利が求められる試合、そして最も勝利を求める試合です。そんな試合で勝てなかった、でも負けなかった。複雑な感情を残して終了した伝統の一戦・第1ラウンド。まずは振り返っていきます。
出場が危ぶまれたデヘアは先発、そして復帰したマルシャルがベンチに入りました。ポグバ、ショー、マティッチを怪我で欠くユナイテッドは、3-5-2のシステムを採用。リンデロフ、マグワイア、トゥアンゼベ…に代わって入ったロホがセンターバック。ワイドにワンビサカ、ヤング。フレッジ、マクトミネイの中盤。2列目にペレイラ。前線にラッシュフォード、ジェームス。レスター戦のあとラッシュフォードを使うなら2トップと書いてましたが、まさか相方がジェームスで実現するとは、でした。リヴァプールはサラーが欠場、アリソンが復帰。
戦評
試合の入り、主導権を握ったのは急造システムがハマったユナイテッド。ワイドに入ったワンビサカを中心にサイドの数的優位を生かした攻撃を展開し、1点モノのクロスが入るシーンを作ります。ハイプレスも効果的で、高い位置でのボール奪取からペレイラ、マクトミネイがフィニッシュまで行く場面もありました。この場面でも絞ったサイドバックの奥にワイドのワンビサカがフリーで待ってたりもしたので、攻撃の形としては上々。ただシステムに全く慣れてないのでそこを使う余裕がない。
また、バックラインからのビルドアップでも、いつもは出しどころがなくてサイドバックに預ける、スペースがなくて詰まる、ロングボールでロストor当ててスローイン、というところを、ぽっかりとポケットになるワイドのワンビサカに逃げることができていました。バックスの数がシンプルに多いので作り直す時にはパスコースが増えますよね。インナーラップしたサイドバックを組み立てに参加させるペップ流は合理的なんです。
一方、ユナイテッドの高いテンションと圧力に押されていたリヴァプールもショートカウンターからマネを走らせてフィルミーノの決定機を演出。左右への揺さぶりでスペースを作り、ワイナルダムのミドルシュート。徐々にペースを掴み、緊張感のある展開が前半の終盤まで続きました。そんな中、突如ユナイテッドが得意のショートカウンターを発動させます。リンデロフのボール奪取からマクトミネイが素早くつなぎ、スピードに乗ったジェームスが送った質の高いクロスにラッシュフォードが合わせて先制。さすがの速さ、そして驚いたのはラッシュフォードの動き。ニアへの動きをダミーに使いマティプの裏を取る。ストライカーかよ。このままリードでハーフタイム。
後半、点が欲しいリヴァプールは攻勢に出ます。リヴァプールの強みは、3トップの連携から成る攻撃が完結するスピード、中盤の構成力、ファンダイク、そして両サイドバックの高性能クロス、いわゆる飛び道具。正直、運べて散らせる中盤の両脇にアシストマシーンを置かれると、抑え切るのはほぼ不可能です。左右に振られればいつかは必ずギャップができるので、守備側の中盤は素早いスライドを求められますし、サイドバックは絞らなければいけません。どれだけ完璧にやったとしても、逆側のサイドバックやら中盤までもがボックス内に入ってくるチームですから、やっぱり不可能。それこそモウリーニョを呼ぶしかありません。そりゃバルサも4点取られますよと。
そういう意味では、ユナイテッドの守備陣はかなり頑張っていました。中盤のコンビの中で実は1番相性良い説もあるフレッジとマクトミネイは、ペレイラと共に豊富な運動量で相手を制限。プレスに行くところと行かないところの判断も◎。そしてワイドのワンビサカとヤングは相手の両サイドバック、アーノルドとロバートソンに睨みをきかせます。スールシャールがこれを意図して5-3-2を採用したのかは分かりませんが、攻守両面でシステムが効いていました。効果的なクロスが入らないのでオリギが生きず、個で打開できるサラー不在が響いた印象。
時折カウンターで追加点を狙いながら、ユナイテッドが耐える展開、違いを生んだのは選手交代でした。クロップはオリギを諦めてチェンバレンを投入。システムを4-2-3-1に変更し、サイドの数的不利を解消。さらにケイタ、ララーナを入れ、2列目にフィルミーノを降ろすことで中盤の枚数と運動量を増やします。失点シーンは、チェンバレンがペレイラを引きつけ、空いたスペースへと入ってきたロバートソンがクロス、ボックス内に侵入していたララーナのゴール。ロバートソンへパスを出したのも余ったケイタからです。クリアできるクロスでしたが、フィルミーノのフリックも効いて通してしまいました。集中が切れたと言えばそれまでですが、きっかけを作ったクロップを褒めるべきかと。
最終スタッツです。
さて、この引き分けで直近6試合勝利なしとなりました(PK含まない)。リヴァプールを相手にした試合は、いつの時代においても「絶対に勝たなければいけない試合」だったはずです。そんな相手をホームに迎えた試合で、勝ちきれなかったという結果に対して失望している人も多いでしょう。しかし同時に、今やチームとしてのピーク、目指してきた1つのスタイルを確立し、黄金期を迎えているリヴァプール。そんなチームを相手にして、引き分けという結果にどこか満足感を得てしまう人、または満足感を得ざるを得ないこのチーム状況に対して虚無感を覚える人も多いでしょう。そんな色々な感情が入り混じりに入り混じったモノこそが、今のマンチェスター・ユナイテッドを取り巻くモヤモヤした空気感の正体です。でも、私はこの空気感、正直嫌いじゃないんです。ビッグクラブの病気は、ビッグクラブにしか治せません。こんな空気感は、歴史的に停滞している今シーズンにおいて一度もありませんでした。めちゃくちゃ勝ちたかった、でも勝てなかった。試合結果を変えることはできません。ではこの悔しさをどこにぶつければいいのか。長いシーズン、試合はまだまだ続きます。まずは今日、パルチザン戦。モヤモヤがモチベーションへと姿を変えていることを願ってます。それでは。
3試合ぶりとなる勝利の味はしょっぱい味…。内容より結果の代表明け、あえて内容を語ってみよう
[EPL] 第5節 United 1-0 Leicister
しょっぱい試合でした。まあ代表ウィーク明けのレスター相手ですから、勝てて良かったやんで終わりにしてもいいのですが、内容が無さすぎてすぐ書けそうだったので書きます。
ウルブズ、エバートンに並んでプレミアの足下すくい枠であるレスターですが、意外となんだかんだ勝つことも多いレスター戦。理由はチームスタイルが似ているからです。ユナイテッドが崩しに苦労するのと同様にレスターも攻撃のアイデアという意味では優れているわけではありません。去年の開幕戦でもPK絡みの勝利、アウェイ戦はミスをついたショートカウンターが決勝点でしたよね。今回もラッキーなPKを貰って先制に成功しました。
ユナイテッドが先制に成功したということもありますが、その後は試合が停滞します。停滞というかいつもの感じに戻っただけなのですが。ユナイテッドの選択肢はジェームスのみ。基本的に攻撃のアイデアやコンビネーションが皆無のユナイテッドですが、ジェームスに入るととりあえずそれっぽい攻撃にはなります。これは周りの選手が動き方を理解しているから。ジェームスが縦に突破すれば、中盤はサポートに入る、FWはニアに走り込んでクロスを待つ。ジェームスが中に切り込めば、サイドバックは追い越す、前線は背後のスペースをつく、中盤はボックス内に飛び込む。色々なパターンから攻撃は完結します。もちろんジェームスの個人技が前提なんですけど。しょっぱい試合の中で唯一連動してチャンスを作ったシーンがありましたよね。中に切り込んだジェームスがクロス、ボックス内に入っていたペレイラに合わなかった場面。これはジェームスが切り込んだタイミングで、ラッシュフォードが斜めの動き出しから相手CBを引きつける、空いたスペースにペレイラが入ってくるというパターン。チーム屈指の地蔵で有名なラッシュフォードですらそれっぽい動きが自然に出るわけですから、まあこの手の攻撃は動き方が分かりやすいんですよね。この攻撃が右からもできたら点も取りやすいんだろうなぁ。(サンチョ来ないかなぁ…)。このまま1-0で前半は終了。
後半、運動量が落ち出したユナイテッドの中盤はセカンドホールの確保に苦労。レスターに連続攻撃を許します。しかしやはりこれもレスターのチームスタイル故、防戦に回ったユナイテッドの壁を破るまでには至らず。ヴァーディが輝く試合展開にはなりませんでしたね。フレッジが入ってからは落ち着きました。ユナイテッドのヘロヘロな守備陣が何度もファウルに頼ってたのでセットプレーからヒヤヒヤする場面が多かったですが逃げ切って勝利。マグワイアの獲得がデカすぎる。最終スタッツです。
さて、3試合ぶりの勝利の味はしょっぱいものとなりました。特に攻撃陣。ポグバ、マルシャルを欠く中で求められるものも多かったラッシュフォード。今日の印象は完全に「PKを決めにきた人」です。ラッシュフォードは身体を張るタイプじゃないので、周りに使われてナンボの選手。その割に動き出しが少ないのでこういった堅い試合では大抵消えます。スペースも無ければサポートも少ないからです。なので今のシステムで彼を輝かすことは難しい。相手が中堅や格下チームなら尚更。左サイドで使うにしても今やジェームスというファーストチョイスがいます。身体も張れて周りを使うのも得意なマルシャルが復帰すれば、2トップにするぐらいのことをしない限りラッシュフォードを使う場所がありません。まあスールシャールのことなのでジェームスを右に回すなりなんなりして使うとは思いますけど。よく走る、そして近づいてってサポートするのが好きなリンガードが戻ってくれば少しは存在感を取り戻すはずです。なんとか活躍する姿が見たいですね。
あ、トゥアンゼベがようやくデビューしましたね!さすがに先発はならず。マクトミネイとジェームスが疲れまくってたのでそこのヘルプに入るかと思いきや謎にアンカーの位置でした。3バックを使える監督だったら…。ショーとかウィングバックで使ったらすごい良さそうじゃないですか?まあそんな話はこれぐらいにして終わりたいと思います。次の試合はヨーロッパリーグ、GS第1節のアスタナ戦、20日の朝4時キックオフです。それでは。
3試合振り返り&決意表明 スールシャールとユナイテッドはこのままでいいの??
プレシーズンとチェルシー戦で大いに期待が高まったぶん、ここ数試合のダメダメっぷりを見てだいぶユナイテッドサポの方々の間でも色々な意見を見かけたので、少し自分の意見を。あとサボっていた第2節から4節の振り返りを簡単にやります。
第2節
ストライカーとしての資質を存分に発揮し出したマルシャルが一瞬の裏抜けから左足で先制点を奪います。GKの肩を射抜く見事なシュート。前半、ウルブズはウィングバックの攻撃参加が少なかったものの、相変わらずの連動性を見せるネベス、ジョタ、ヒメネスの動きから何度かチャンスを作ります。一方でユナイテッドはモリニューの空気に飲まれたジェームスを始め、鈍く迫力のない前線。リードしてる気がゼロのまま後半へ。ウルブズは切り札トラオレの投入でユナイテッドの左サイドを制圧します。守備力の低いショーでは対応しきれぬまま波状攻撃を許し、コーナーのセットプレーからネベスの超ゴラッソで同点。3バックにするなり、ボランチを絞らせるなり対応して欲しかったですね。痺れを切らしたポグバが自らボックスに侵入してPKを得るも失敗、このままドローで終了。
第3節
パレスの固いブロックを崩せず、どうしよう〜とやってる間にロングボールからあっさりとアイェウに先制点を許す展開。マタ不在が本当に痛かった。マルシャルがボールを収める役割をこなしていましたが、地蔵のラッシュフォード、裏抜けの動きが無いリンガード、右で使われるとカットインすらできずスペースを消されて空気になるジェームス。そりゃあ点は入らない。リードを得たパレスが完全な受け身モードになったこと、ワンビサカとショーが高い位置を保ったことで攻撃回数自体は多かったですけどね。なのでなんとかPKで追いつくチャンスも貰いました。同点ゴールのシーンはポグバのボール奪取からのショートカウンター、ジェームスの見事なシュート。なお今度はポグバのロストから史上初となるOTでのアディショナルタイム勝ち越し点を献上。歴史的な敗戦でした。
第4節
マルシャルの負傷欠場で、トップにラッシュフォード、左にジェームスでスタート。今季初先発となったマタが違いを作ります。縦に突破でき、カットインもできるジェームスとのコンビは特に良く、何度かサウサンプトンの右サイドを崩しました。マタが斜めに抜け出してDFを引きつける、ジェームスにスペースを与えるパターン。実際先制点もここから生まれました。ワンビサカともやってましたね。これはかなり効いていたので追加点が欲しかったところでしたが、案の定そんな決定力はなく後半、セットプレーからリンデロフを狙われて同点。相手が1人少なくなったことで勝利に全振りのユナイテッドはマティッチをアンカーで置き、2列目にリンガードとポグバ、右サイドにグリーンウッドを入れる攻撃的布陣で攻勢をかけるも勝ち越しはならずドローで終了。3試合勝ちなしとなりました。
さて、まあぶっちゃけ攻撃も守備も言いたいことばかりなのですが、今回は攻撃のほうにします。
第1節の浮かれ記事でも書きましたが、チェルシー戦は全てが上手くいきました。問題は全てが上手くいったこと。何かが上手くいかない場合はどうするのよというところがここ3試合でボロボロ出てます。ユナイテッドのストロングポイントは、「速さ」です。ボールを失った時のプレスの速さ、時間を掛けずに攻める速さ。つまり守備から攻撃への切り替えにおいて最も力を発揮するチームです。基本的にボールを持たされる時間が長くなれば苦しいのは当たり前。というかユナイテッドじゃなくても苦しいです。ブロックを崩すのではなくブロックを動かしてずらす、ギャップを作るということを目指すべきであって。そのために必要な2つのタスクが、ブロックをずらす動き出し、いわゆるダイアゴナルな動き、そしてブロックに穴を開ける個の力。そういう意味では、今日のマタ、ジェームスの出来はとてもポジティブでした。両方できる選手が前線に揃っているシティとか、スリートップのバランスが抜群のリヴァプールに比べたらまだまだですけど。
リヴァプールもクロップがきて、今のユナイテッドのように速さを武器にするチームだったはずが、気づけばカウンターが大して目立たないチームになりました。ファン・ダイクの加入とかファビーニョのフィットとか色々理由はありますが、なんといっても大きいのはフィルミーノです。圧倒的な個の力を持つマネとサラーを脇に抱えながら、裏や斜めと次々にスペースを見つけてブロックをかき乱す。クロップが目指したリヴァプールの「速さ」が意味するのは、守備から攻撃への切り替えではなく、攻撃が完結するスピードです。ユナイテッドに絶対的に足りないのはこれで、同時にスールシャールが目指しているスタイルもこれです。結果が出ていない以上、批判はされるべきですが、スールシャールがプレシーズンから通してやろうとしていること、マルシャルやジェームスといった選手がそれに応えはじめていること、スモーリングやルカク、サンチェスと決別したこと。個人的には変革の始まりを感じずにはいられないです。やっと21への長い道のりを歩き出すことができています。もう少し信じてみましょう。
チェルシーを相手に最高の開幕スタート!
[EPL] 第1節 United 4-0 Chelsea
いやぁ、こんなにも全てが上手くいくことってあるのでしょうか。ホームで迎えた開幕節、ユナイテッドはチェルシーを4-0の快勝で下しました。
まずはスターティングメンバーから。獲得したばかりのマグワイアが先発、中盤はマクトミネイとポグバ、ペレイラが2列目に入り、トップはマルシャル。スールシャールがプレシーズンからペレイラを多く起用してきた理由はハイプレスをサボらないから。確かにスピードであったり、ボールを持った時の視野、持ち出しといったところでは貢献できませんが、ある程度ポゼッションされることが予想される対チェルシーという意味では彼が最適解でした。アシストまで記録しましたしね。マタやディバラにはない魅力。私の先発予想ですか?もちろんマタでした。
さて、プレシーズンで磨いてきたハイプレスは、ある選手の加入によって進化を遂げます。ハリー・マグワイア。前線のハイプレスと連動して、限定されたパスコースに次々と立ちはだかったマグワイア。インターセプトでは両チーム通じてトップの数字を記録しました。DFラインも相当高かったです。チェルシーのトップに入ったエイブラハム、そしてジルーは裏を取りに行くよりはボールを収めるタイプ。CBの2人が背後から寄せてボールを奪うシーンも目立ちましたよね。2点目のカウンターもマグワイアの奪取からでした。厄介だったのはペドロ。右から中央に入る動きでショーを引きつけ、空いたスペースに良いクロスがあるアスピリクエタを侵入させるパターン。マグワイアが釣り出されて逆サイド、フリーのバークリーやエメルソンを使われるシーンが多かったです。最終兵器デヘアとポスト先輩に助けられましたけど。
あれ?最高の試合だったはずなのになんかテンションの低い記事になってますね。でもしょうがないです、正直攻撃面ではあまり書くことがないんですよね笑。取った4点は全て守備から、ハイプレスや奪取からのカウンターが起点だったわけですから。本当に戦術がハマったという試合。もちろん不安はあります。ボールを持たされて、ドン引かれたときに相手を崩せるのかとか。守備面に関しても、課題というべきものではなかったように思います。チーム全体で高い位置からプレッシャーをかけているので、剥がされたときにピンチになるのは当たり前。剥がされる数を減らすことに重きを置くべきです。そういった意味では、理不尽なディフェンス能力を持つワンビサカや、デヘアの存在は頼もしい。1-0リードで後半を迎えられたことは幸運でした。色々な意味で全てが上手くいった試合。なんなら問題点は全てが上手くいってしまったという点です。レフェリーがファウルを流していなかったら、ズマがもっとマシな対応をしていたら、ポストが1cm細かったら、どこで結果が変わってもおかしくなかった試合でもありました。
今日のピックアッププレイヤーはポグバです。少し前の記事で書いたように、ポグバが最大限に生きるときはポグバが目立っていない時。それでも2アシストでめちゃめちゃ目立っちゃってるのが彼の凄いところなのですが。低い位置でのプレーでしたが、リーチを生かしたインターセプト、精度の高いフィードで影響力を発揮しました。でもロストが少し多かったですね。
さて、プレミアの移籍市場は閉幕し、ついに開幕した2019/2020シーズン。ポグバやサンチェスの去就など、まだ不透明な要素もありますが、とりあえずはスールシャールが目指してきたスタイルが一つの結果として出たことを喜びたいですね。次の試合は日本時間20日の朝4時、ウォルバーハンプトン戦です。
あ、今日のトゥアンゼベコーナーはお休みです。
プレミア開幕目前!プレシーズン最終戦 雑感
International Champions Cup
United 2(5)ー(4)2 AC Milan
Twitterの反応を見ていると、前半の内容は厳しいものだったと言えるのではないでしょうか。私的には「ユナイテッドひでえな」より「ミラン上手いな」です。ミラン上手かった。
戦評
これまでのプレシーズン通り、ユナイテッドは序盤から前線のハイプレスを仕掛けます。これは20分頃くらいまでは効果的で、実際に試合の最初のチャンスは敵陣でボールを奪ってからのショートカウンターでした。むしろ上手くいきすぎてこれで味を占めすぎましたね。マティッチがバイタルまで出てきてプレスしたりしてましたからね、ウイイレかって。少しやりすぎたのもありますが、ここからミランが対応し始めます。スソやカスティジェホを中心にワンタッチ、長短自在のパスでプレスを剥がし、高いユナイテッドのDFラインの裏を狙う。やっぱりスペイン人ってサッカー上手い。インテルとは全く違うスタイルのチームでしたね。ユナイテッドはボールの奪い所を失い、同時にポゼッションを失います。防戦一方。逆に自陣でボールを奪われスソのゴラッソで同点。
前半は確かに良くはなかったですが、皆さんが捉えられてるような酷さではなかったように思います。戦術の兼ね合い。ベストメンバーではなかったもののスパーズ相手にも通用していたハイプレスですから、普通にミランが上手かったなぁっていう印象。ボールポゼッションは33%-67%、トータルパスは220-376と圧倒されました。後半になっても流れはあまり変わりません。最初のチャンスは裏を取ったピョンテクのヘッド。リンデロフあまり良くなかったです。ここはデヘアがセーブ。その後セットプレーのセカンドチャンスから失点。
どうするんだろーと思っていると、65分すぎ選手交代から少しずつ変わります。フレッジ、リンガード、ジェームスらがIN。ユナイテッドは前線にラッシュとマルシャルを残したまま少し重心を下げました。すると、、、空いた中盤のスペースでボールを持ち出すことのできるリンガードが輝き出します。スパーズ戦ではゴリゴリのフィジカルに苦しんだフレッジもあまり当たってこないミラン相手では落ち着いたボールキープから持ち前の展開力を発揮し、少しずつポゼッションを高めていきます。リンガードの上手いシュートで同点。終盤はアカデミーのホープたち、特にゴメスのショーで終了。
最終スタッツです。
前半からボールポゼッションをやや回復、チャンスクリエイトでは上回りました。厳しい声が多かったように感じますが、私は低調なパフォーマンスより後半のアジャストを評価したいなーと思っています。ジェームスが試合後のインタビューで「ミランも良いプレーをしていたし、プレスで相手を捕まえることが難しかった。僕らは少し異なるプレイスタイルを見せることができたと思う」と語っていました。途中出場のジェームスからこういう言葉が出てくるのは良いことだと思います。スールシャールらコーチ陣が問題点を理解し、それを解消するために出した答えがある程度機能したという証ですから。シティやリバプール、バルサみたいに自分たちのプレーをすれば結果が出るというわけではないですしね。攻撃に関してはポグバがいないのでこんなもんでしょう。1番点に絡む選手がいなかったわけなので。
最後に恒例のトゥアンゼベコーナー。今日もベリー最高でした。重心を下げたと書きましたが、当然そうなると攻め込まれる回数自体が増えます。しかしながら、上のスタッツにあるようにPAでのタッチ数を半分以下まで押さえ込んだことは大きかったです。リーチを活かして追い出す場面が何回も見られました。正直プレシーズン全体で見てもCBで1番良いです。
さて、これでプレシーズンを全勝で終えました。あくまでプレシーズンなので結果より内容を見るべきですが、自信を植え付けることは大事です。恐らく開幕までに状況が変わるはずなので、諸々決まってからまたプレビュー記事でお会いしましょう。
プレシーズン雑感(ICC2戦目) -ユナイテッドvs.スパーズ
United 2-1 Spurs -International Champions Cup G2
プレシーズン4連勝!初めての失点を喫したものの、見事にスパーズを下しました。リーグでもライバルになるであろう、いやライバルになっていたい相手だと思うので、この試合における選手のプレーぶりは大きな評価の基準になります。その中で、感想と気になった選手について吐き出していきましょう。
戦評
観ていた方はわかると思いますが、前半と後半でかなり試合の流れが違いましたね。序盤、前線のハイプレスがハマり、ショートカウンターからマルシャルのポスト直撃など立て続けにチャンスを迎えます。スールシャールがトップの選手の後ろに選手を置く4-2-3-1を採用しているのはハイプレスの威力を上げるため。昨季は、前線の3枚がハイプレスをしても中盤が連動しませんでした。主に地蔵と化したマティッチと走らないポグバのせいなんですが。しかし今日のようなシステムならば、運動量のあるペレイラやリンガードが追い込み役として居てくれるので、しっかり効果を発揮していました。ただこの戦術は、前線3枚がハードワークすることが前提です。そうです、マルシャルですね。めちゃめちゃ頑張ってました。ペレイラが張り切りすぎて行くところもちゃんとプレスバックしてて感動しちゃいました(泣)。相手DFラインへのプレッシャーという意味では、マルシャルの貢献はプレスだけでなく裏への動き出しというところにもあります。前の記事(インテル戦のやつです)でも触れたようにマルシャルはトップに入ると中盤までおりて受けに来る癖があって、全体的にスペースが埋まってしまうことが多いです。ところが今日は裏への意識が強く、先制点もそういったプレー選択から生まれました。スールシャールが何か入れ知恵したのかな。多分インテル戦だったらあのままペレイラとワンツーやろうとして失敗してたでしょう。知らんけども。
さて、後半は一転としてスパーズに攻め込まれるシーンが続きました。スパーズはハイプレスを剥がすのを諦めます。アルデルヴァイレルトが正確なフィードをソンへ何本も通し、ユナイテッドの最終ラインはジリジリと下げられます。最終ラインが下げられたことで中盤にスペースが生まれ、セカンドボールを拾われる悪循環に陥りました。(ここでエリクセン投入というね。ポチェッティーノとかいう鬼)マティッチ&フレッジのボランチはこの流れを止められるほどの強度は無く、防戦一方でした。さすがにスパーズも強かった。マクトミネイが出てたらどうなったのか見てみたかったですね。後半の面子については、圧倒されすぎてビルドアップもクソも無かったのであまり言うことはないです。ラッシュフォードなんてほぼ触ってなかったし。マタがひたすら上手かった。ゴメスが天才だった。って感じです。あ、トゥアンゼベは開幕スタメン内定でお願いしますね。
フレッジについて。ここまでのプレシーズンでは4-2-3-1のダブルボランチを採用していますが、現状ではこのポジションで使うのは難しいかなと。やはりデュエルや競り合いと言う意味での強度が足りないです。中盤を支配されるような流れでは、相手の寄せも早くなり、ポグバのようなアホみたいなフィジカルがない限り自分の間合いでボールを持つことは難しい。今日もロストが多かったですよね。彼の良い所は長短のパスを自在に出せる所、間でボールを受けてリズムを生み出せる所です。2-1とリードした後はややオープンな展開から中盤にスペースができてたので、彼も落ち着いてボールを持てていましたよね。なので使うならパリの奇跡みたいにスリーセンターの左かなぁ。決してフレッジが使えないと言いたいわけではなく、今の使われ方だと良い所以上に悪い所が目立ってしまうということです。